人生の方向転換

医療現場での栄養士としての活動に限界を感じる・・
いえ、もっと言ってしまえば、

私の居場所、私のやることは、これではないのではないか??

そんな風に焦る若い心をもてあまして、
会社には内緒で様々なアルバイトを経験しました。

いよいよ5年勤めたとき、

もういい・・・

そう思う環境に会社での立場を追いやられてしまいます。
自分の性格も大きな要因だったとは思います。

このままこの田舎に居たのでは私は埋もれて死んでしまう!!!!

そう思って病院の世界を飛び出すことにしたのです。

癒しとは何か?

ということを模索するために、あえて飛び込もう・・・・

そんな風に決意したのかもしれません。

得意なマッサージを生かせたら・・

そう思ってアロマの勉強をして、リフレクソロジーの学校にも通いました。

しかし・・・

当時先駆けだったこの分野では、満足する給与はもらえない・・・

むしろ仕事にありつくことすら難しい・・・

そんな状態でした。

そこへ私のアドバイザーであった母が、

「あなたの海外旅行の経験と、英語を生かして旅行会社は??」

と突然言い出したのです。

「海外旅行」
それは私にとって癒しの時間以外のなにものでもなかったため、
私は二つ返事で、「やってみる」と方向を転換。

思い切りのよい性格が功を奏して、

見事1社目の面接をパスし、
現在は大変有名な大手旅行会社のスタッフとなったのです。

そうして、私はある意味で憧れていた旅行業の業務につきます。

そこで私はどれほど今まで人に恵まれてきたかを思い知らされました。

甘ったれて、前の勤め先である医療の世界を
飛び出てしまったことをひどく後悔しました。

社会人としての器のない酷い人たち、
お金のことばかりを考えている人たち、
自分の利益ばかりの人たち、
何かにつけて文句を言い、少しでも安く旅行しようとする人たち、
自分の勘違いをこちらのせいにして問題を起こす人たち、
予算確保のために実際に買いもしない巨額の航空券の見積もりをとる人、
不法滞在・入国者の脱出を手伝う業者とのトラブル、

そして・・。
本当は面倒を見る気もないのに
上辺だけで上司、先輩面をする人たち。

いろいろな酷い大人たちを見てきました。

そしてその付き合い、接触から

私はとても傷つきました。

大小さまざまなトラブル、
言いがかり、
不法入国、出国の対応、
精神異常のお客様
脅しをかける人、
裁判沙汰、

何度も何度も、もうだめだ・・と感じ、
どんどん人と接するのが怖くなりました。

大好きなはずの接客が日々怖くて怖くてしかたがなく、
ただ怯えてカウンターに出て、営業成績に追い立てられ、
本来うまくいくはずの人間関係も崩れていくような毎日でした。

そんな中、戦友とも言えるKさんとの出会いで
私の心がどれほど救われたかは、分かりません。

そして、どんなミスをしてもフォローしてくださる、
温かい沢山のお客様に見守られて
大好きな海外旅行のお仕事を続けてきました。

でも時代は・・明らかに暗黒に飲まれ始めていました。
あの911が起こり、
タンソ菌の騒ぎや、SARSの発生・・・

やがてブッシュ息子大統領が第二次湾岸戦争を始めました。

どんなに頑張っても頑張っても、収入が上がらないワーキングプア。

花形に見える人気の旅行業・・
しかし、その裏側は本当に過酷なものでした。

親に心配をかけるほどの超過勤務。
一切付かない残業代。
ミスをすれば自腹で補わなくてはならない現状・・・・。

それが私を精神的におかしくさせ・・
そして体までをもおかしくさせていきました。

精神的に病んで、友達の忠告も一切耳に入らなくなり、
心は意固地になり、荒んで傾いていく一方でした。

そして体には婦人科系のトラブルがずっと続きました。

不規則な生活と心の荒れ模様から、
太ったり痩せたりを10キロ前後の大振り幅で繰り返し、
体はどんどん痩せにくく、つらい状態へと追いやられていきました。

友達が全員離れてしまった事もありました。
忙しさのあまり、そして私の心の貧しさのあまり、
誰も私を誘ってはくれなくなっていたのです。

私は何のために生きているんだろう??

自分の存在意義を悶々と考えつづけて、

そう考えていると、本当に苦しくて
今どうしたらいいのかが全く分からなくなっていきました。